サンデーまいにちおやぢ隊が行く-その4(2012.12)

飲んだく連トレッキング日記(2012.12.29〜30)

三峰神社駐車場〜雲取山〜鴨沢バス停

 飲んだく連有志は12月29日から1泊2日の日程で、今年も年末恒例の雲取山(2017メートル)山荘での山上飲み会を兼ねたトレッキングに挑んだ。例年より雪が多く山道を行くのにちょっと難儀したものの、霧藻ヶ峰からの雲海の眺めは見事で、感動のトレッキングとなった。
 参加メンバーは常連のH、N、Sの3氏と小生、それに2年前のふがいない歩きの雪辱に燃えるA氏の5人。当然のことながらビール12缶と日本酒2升、昼食用のおでん5袋、飲み会用のつまみなどを背負って行った。

1日目・・・
三峰神社駐車場〜霧藻ヶ峰〜白岩山〜雲取山荘、休憩時間含め約6.5時間

霧藻ヶ峰から見る雲海。正面は両神山、その右に冠雪した浅間山頂がうっすらと見える

 早朝の西武池袋線特急とバスを乗り継ぎ、出発地点の三峰神社駐車場には午前10時25分着。小用などを済ませ同35分歩き始めた。前日夜にも雪が降ったせいで、例年より雪は多く数センチから10センチほど積もっていた。
 時折、樹木の枝葉に付着していた雪がパラパラと落ち、頭に降りかかるのが気になった。しかし、山靴で新雪を踏み固める「キュッ、キュッ」という音が、いつもの山歩きに比べ心地良かった。緩い上り坂をゆっくりと1時間40分ほど歩いたところで、昼食予定地の霧藻ヶ峰(1523メートル)に到着した。

 ここから北西側の眺めはいつ来ても素晴らしいが、当日は雲海が圧巻だった。次々と峰の下から湧き起こり、刻一刻と山肌を這うように立ち昇っていく景観にしばし見とれ、見飽きることはなかった。同峰の山小屋の主人A'さんも「こんな雲海は久方ぶりに見ることができた」と話しながら、写真を撮っていた。

霧藻ヶ峰でポーズを決める参加メンバー

 これまで何回も見てきた正面に見える山の名をA'さんに聞いたところ、鋸刃状の山が両神山(1723メートル)で、その右側の冠雪した頂は浅間山(2568メートル)だ、とのことだった。飲んだく連は今年8月、浅間山の麓で恒例のテニス合宿を開催。また、小生は同8月末に友人と両神山に登ったばかりだった。全員が「へぇーッ。あれが」と妙に納得し、感慨深い面持ちを浮かべながら見入ってしまった。

 A'さんの山小屋に招き入れられ、おでんと少しばかりのアルコールで体を暖めた。出発を前に、A'さんから「1週間前に降った雪が凍っている上、昨夜の雪で滑りやすくなっている」と注意され、アイゼン装着を勧められた。それならば、とH氏を除く素直(?)な4人は、やおらアイゼンを山靴に着け午後1時に山小屋を出た。

 お清平まで下り、前白岩山(1776メートル)を越えてまた下り、それから上って白岩山(1921メートル)に着いたのが午後3時半。この辺りになると、雪はさらに多くなり20センチほどの積雪となっていた。しかし、天候は穏やかで風はほとんど無く、フォトギャラリー(文末写真特集)で見るように絶好のトレッキング日和だった。ただ、A'さんの言った通り、アイゼン装着でも滑ったり転んだりしながらの山歩きではあったが。

雲海は次から次へと湧き、時々刻々と変化した。中央に山間の集落が見えた
時折、山道近くの樹木も雲海の薄い靄(もや)に包まれ、幻想的な雰囲気となった

 体が冷えるのを防ぐため、小休止後、白岩山頂を直ちに出発した。大ダワまでは比較的緩い下り坂が続いているが、油断は禁物。アイゼン装着の小生も、平地となっている大ダワで見事に滑り転んでしまった。が、大事には至らず事なきを得た。

 大ダワから雲取山荘までは上り坂が続いており、男坂と女坂の2ルートがある。常日ごろから女性を敬愛する飲んだく連は、敬意を込めて迷うことなく女坂を歩くことにしている(本当の心は、女坂は緩く楽だからなのだが)。

  道中、深い雪に足を取られたことなどで遅れ、雲取山荘着は昨年よりほぼ1時間遅れの午後5時。部屋に落ち着いた後、午後6時からの夕食ではいつものハンバーグ定食をいただいた。その後、山荘でのおとなしい飲み会を終え、翌朝のご来光を期待しながらこたつに足を入れ寝入った。

 

2日目・・・
雲取山荘〜雲取山頂〜奥多摩小屋〜鴨沢バス停、休憩時間含め約4時間半

 前夜の山荘スタッフの予測通り、前日とは打って変わった曇り空となり、時折、霧雨も降っていた。それでも気を取り直し、早々に毎度お馴染みの塩サケ定食を平らげ、アイゼンとスパッツを着けて午前6時15分過ぎ、山荘を出た。ここからは約30分程度の急な上り坂がずっと続いており、滑らないよう気をつけて歩いた。

 先発の3人は同45分過ぎ相次いで山頂着。2人はそれから10分程度遅れて到着した。話によると、山道沿いにちょっと臭う"地雷"を仕掛けてきた、とのことだった。それにしてもさぞかし寒かったのではないか、と同情した。

 天候は良くなるはずもなく、残念ながらご来光は拝めなかった。薄明かりの中、おじさん連が道標などをバックに、今はやりのポーズを取り登頂証明の写真に収まった。

ご来光を拝めず、焼けくそ気味に○○○48のセンターポーズをまねた

山頂には30センチほどの積雪があり、近くのカラマツなどの枝には樹氷が着き、あたかも白い花が咲いているようだった。しかし、そんな風景を鑑賞している余裕は無かった。汗をかいた体が急に冷えてきたため、午前7時山頂発。アイスバーンとなっている下り坂に気を付けながら、慎重に歩を進めた。時折、西方からの冷たい風とみぞれがほほに当たり、帽子の耳あて等で防いだ。

 約35分で奥多摩小屋着。これまでは主がいなかった山小屋だったが、当日は小屋主がおり、中で小休止させてもらった。一息付いたところで、同8時に出発。このころには風も収まりだいぶ楽になってきた。一昨年の雪辱に燃えるA氏は「自分は下り道が得意」とか言いながら足取りも軽く、他の4人をリードした。

 奥多摩小屋からの途中でアイゼンを外したが、それでも所々で凍っている個所があり、より一層の注意が必要だった。鴨沢バス停には目標とした同11時32分よりも1本早いバス(同10時45分)に乗られる5分以上前に着いた。

 バスで奥多摩駅に出て、年1回しか利用しないお馴染みのS食堂で、互いの健闘を称え飲んだく連流儀の祝杯を挙げたのは言うまでもない。

奥多摩駅近くのS食堂で祝杯を挙げる5人

蛇足・・・
  蛇足ながら、ブナ坂辺りから堂所周辺の山道沿いには、写真のような巣箱が一定間隔置きに合計30〜40箱設置されていた。そのいずれもが山道のすぐ近くで、中には山道から手が届く距離のものもあった。登山者の足音や話し声が聞こえ、いたずらされる可能性もあるこんな近い所に設置して、小鳥は巣作りするのだろうか、と不思議に思った。

小鳥用の巣箱

 

Photo Gallery
 

 

おまけ・・・
 おまけとして、雲取山のご来光が拝めなかった代わりに、台湾・阿里山のご来光の写真を掲載した。小生が20余年前、台湾の玉山(3952メートル、旧日本名ニイタカヤマ)に登った際に訪れた阿里山から撮った写真だ。同山から見るご来光は、日本では富士山からのご来光に匹敵するほどの人気だ。

台湾・阿里山のご来光

(にゃまだ記)